あっしさんへの手紙 九通目

あっしさん、お元気そうでなによりです。
先日の昼食会で書いてくださったお手紙を会長ぉが届けてくださいました。
大好きな牛丼を召し上がる手を止めて、書いてくださったのだとか。
会長ぉが差し入れてくださったせっかくの牛丼が冷めてしまいましたね…
でも、あっしさんのお心遣いがうれしかったです。
こちらは間もなく桜が見頃を迎えようとしています。
あっしさんのいらっしゃる処はこちらより寒いから、もう少し時間がかかりますよね。
ですから満開の桜の便箋を選んでみたんです。
封筒には郵便局で買い求めた桜と三色団子の切手を貼ったんですよ。
あっしさん、ご覧になりましたか?
…今、封筒を手にしてらっしゃるでしょ?切手を確かめました?
あっしさんの姿が目に見えるようですわ。
あっしさん所縁の花より男子…
来年はご一緒にお花見ができますね。
私、心を込めてお弁当を作りますから。
あっしさんのお好きな卵焼きも入れましょうね。
お戻りになる前に、お料理の腕も磨かなくてはいけませんね。
今年の桜はこれまでと趣が違うんです。
伸びすぎて古くなった枝を落としてしまったから、桜のトンネルにはならなくて青空が見えるんです。
残念で物足りない気もしますが、この先更に大きく伸びて行くためには必要なことなのでしょうね。
人もそうあるべきなのかもしれません…
あっしさん、申し上げるのが遅くなりました。
このたびはご昇進おめでとうございます。
これまで以上に、あっしさんのことを頼りになさる方々が増えますね。
おひとりですごすことの多かったあっしさんが、後輩の皆様とご一緒に汗を流していらっしゃるなんて、何だか微笑ましいですね。
微笑ましい、だなんてお仕事に励んでいらっしゃる皆様に申し上げてはいけませんね。
大切なお務めなのですから。
きっと上官の方々の信頼も厚いことは想像に難くありません。
一緒にいると好きになる…あっしさんですもの。
そちらは殿方ばかりだから安心なんです。
…私だって心配しているんですのよ(笑)
私にできることは限られているけれど、私にしかできないことがあると思うんです。
だからここであっしさんのことを応援していますね。
お帰りになるまで、踏ん張りますね。
どうぞお身体に気をつけておすごしください。
ごきげんよう。
2016-03-31(Thu)